目指すもの
学校給食と食育ワークショップで子どもたちを元気に
JBCEAでは2010年より子供たちの栄養改善を願って、農村で地元産大豆を使った学校給食を始めました。保護者や地域住民が力を合わせて学校給食を実施するモデル校を作り、また給食提供と併せて、食育(食と健康の学び)ワークショップを通して、児童と家庭、地域に病気の予防や健康の意識を広げ、より多くの子どもたちが健康に成長することをめざしています。
これまでの活動、そして今
学校給食の開始
JBCEAは2009年から電気・ガス・水道がない農村で、どうしたら衛生的に栄養バランスの良い学校給食を作れるか、地域の実状に合わせて調理室の建設や調理員のトレーニングを行いました。メニューは地元産の大豆を使ったケチュリ(野菜炊き込みご飯)にしました。児童が1日に必要な栄養素の1/3を摂取できるように、1食分の材料を決めています。
2校で開始した結果、給食によって子どもたちの栄養状態は改善し、体格もよくなりました(グラフ)。
また、それまで学校に来なかった子どもたちが登校するようになり、ドロップアウトする子どもも減少して成績もよくなりました。
2012年には、地域住民による継続をめざして、新たに1校を加えて3校で実施しました。
当初の計画では、3年後に地域住民の協力による継続を期待しましたが、成長面でよい成果が確認できても、住民自ら給食の運営資金を集めることができず、給食は継続できませんでした。
地域住民参画による学校給食モデルづくりへ
2015年から持続可能な学校給食モデルづくりをめざし、住民と共に実施体制を考えながら取り組んでいます。
シャシャ郡内の125校の公立小学校から、郡教育事務所長と共に対象校を探し、住民と協議を重ね、給食実施に積極的な1校を選定し、小学校敷地内に調理室を建設しました。
学校、学校運営委員会、保護者と話し合い、保護者から毎月米2~3キロを集め、住民から寄付を募り、JBCEAが一部を支援し、住民参画の学校給食を開始しました。
児童は空腹をがまんすることなく集中して勉強できるようになり、健康になりました。また給食前には、下級生の手洗いを上級生が手伝ったり、配膳が早くできるように調理員を手助けする児童のボランティアが大活躍しました。
学校給食を継続して運営していくためには、住民が担い手として自覚し、地域の協力を広げる地道な努力が必要です。地区ごとに母親グループを組織し、家庭菜園で野菜を作って順番に提供するしくみや、健康増進のための体格測定を母親グループが手伝うなど様々な形で協力しました。
また楽しい参画型イベントの学校給食ハッピーデイ(運動会)や表彰式など、青年グループや地域リーダーを巻き込む新たな取り組みに努めました。
その後運営資金を賄うために、保護者と住民、JBCEAが話し合い、児童1人1か月米2~3キロに加えて現金20タカ(約26円)を集め、保護者や住民から野菜や現金の寄付と、JBCEAから経費の4割を支援して運営を継続しました。
コロナ禍と政府の方針変更
2020年3月、新型コロナの発生でバングラデシュでは1年半にわたり学校が休校になりました。
その後、政府の全国学校給食計画が、ケチュリ給食からドライフード(ビスケットなど)主体の給食提供に変更になり、同時に学校の敷地内での調理が禁止されました。それによってJBCEAの給食の仕組みを変更せざるを得なくなりました。
2022年10月、JBCEAは当会の大豆センターで製造した大豆入りのパンやビスケット、ケーキとバナナを提供、JBCEAが経費の50%を負担し、児童は1人1か月120タカ(約156円)の給食費を負担する仕組みを新たに作り、学校給食の継続をめざしました。また、ケチュリ給食でなければ児童の空腹を満たせないという母親たちの強い要望を受け、教育省に申請・許可を得て、週2回のケチュリ給食を実現しました。
しかし、今まで米や野菜の持ち寄りが中心だった給食費が、現金120タカの負担に変わり、給食費を出せない保護者が多くなることを懸念した校長が、継続を望む母親たちを押し切り、2022年末で学校給食中断を判断しました。
JBCEAで調理し運搬して学校給食提供
シャシャ郡教育事務所長とJBCEAで新しい仕組みの学校給食対象校を探したところ、いくつかの学校から希望があり、実際に訪れて学校や学校運営委員会と相談し、2校に絞り、2023年2月と5月に新しく学校給食が始まりました。
メニュー:大豆ケチュリ(週2日)、大豆パンとバナナ(週2日)、大豆ケーキとバナナ(週1日)
給食経費(燃料・運搬費含む):児童1か月280タカ(約364円)の経費のうち、JBCEAが50%を支援しています。
2025年7月現在の学校給食実施校:
・バガチャラ・シャットマイル公立小学校(BS小、児童数220人):2023年2月開始
・ディガ・チャルタバリア公立小学校(DC小、児童数194人):2023年5月開始
・ラウタラ公立小学校(L小、児童数228人):2023年10月~2024年2月、学校給食に反対する一部住民のため休止、2025年7月1日再開
児童と母親対象に食育ワークショップ
児童の健康のためには、学校給食を提供するだけでなく、家庭の食事や生活習慣にも健康を意識してもらうために、児童と母親向けに食育(食と健康の学び)ワークショップを行っています。
○体格測定(年2回)の結果を共有し、児童が健康に成長しているか確認すること、児童の栄養や健康と体格の関係を学ぶ
○食べ物の役割について、食品3群チャートと食品カードを使って学ぶ
○歯みがきと健康について、紙芝居と歯の模型を使って学ぶ
○学校にお金持参とスナック菓子の買い食いと食べ過ぎの問題を、食育ポスターを使って学ぶ
○大豆ケチュリ給食の試食や調理実習で塩分の摂り過ぎや大豆の栄養について学ぶ
これから
政府の学校給食計画の実施動向を見ながら、一方でJBCEAは児童と家庭に直接働きかける食育を継続し地域に普及していきます。
学校給食プログラム紹介動画一覧
